昨夜、ウイルスが疑われる怪しげな下記のA、Bの2株をウイルス検定キットで調べてみた。
A株:3年くらい前に入手した株だが何となく怪しい感じがしたので隔離スペースで管理している株。
B株:一昨日、ブロブに記載した昨年入手のニオイ系交配苗でウイルスが強く疑われる株
キットはしばらく使わないうちに古くなって(入手から8年も経っていた)、ビニール袋の磨砕用液が蒸発していて、こりゃ使えんわとあきらめかけたが、ダメもとで封を開けて水を3㏄入れてやってみた。反応がやや鈍い感じがしないでもないが、何とか反応はしたようで使える?
A株 新葉の先の方の葉脈がわずかに透けて見えるが目立たず見落としそうな程度。古い自然種コオズ
葉面の反射を抑えて少し背面光を採って葉脈を浮き上がらせて撮った苦心画像。壊疽はない。
問題なさそうな株でも撮り方によっては葉脈がこのように写ることもありそうで微妙。
B株 新葉の先から株元にかけていやらしい脱色斑がでており、見るからにウイルス病っぽい。
昨秋入手した交配ニオイ系の育成中の苗だが古葉には異常は見当たらない。斑入りとは無縁。
結果

A株は矢印のあたりに赤いラインが出ていて陽性。多分CymMV。処分する。
あぶなそうなB株はなんとウイルス反応が全くでなかった。これまでの経験でも確実にウイルス株と思われる株がキットで反応しないことは案外よくある。
一つにはこのキットがCymMVとORSVにしか反応しないので、その他のウイルスなら素通りしてしまう。反応がないからといって無病、フリーの証明にはならない。
症状からウイルスが疑われる株は処分するのが賢明。キットの2つのウイルスの罹病株は多いといわれるが、それ以外の未確認のウイルスによる発症も多いのではないかなあと・・・
この株は少し変わったウイルス的な症状でキットは素通りしたが、この株を持続しようとは思わんなあ。これも処分します。
ウイルス罹病株の発見は、まずは目視によるところが大きいが、どうしても見落としもあるし、マスキングしている株もあるだろう。キットによる検定はかなり面倒だし、かなりコストもかかり、すべての株を実施するのは難しいうえに、ウイルスフリーの証明にもならない。
井上先生とお話しした時に、症状は花に出るより葉に出ることが多いといわれていた。
まずはしっかり葉を目視点検をすることが第一だが、近ごろは眼が衰えて自信がなくなってきたなあ。
今回も改めて感じたが、ウイルス的症状を画像でリアルに伝えることはなかなか難しい。
しぶとい細菌性の病斑との区別は難しいこともありますが、疑わしきはスッキリ処分が賢明かな。