大切な株にスッポヌケを発見した時・・・耳たぶがカ~っと熱くなって胸騒ぎドキドキ~~
ニオイエビネ栽培をしている方は皆さんこのスッポヌケを警戒されていると思いますが、毎回手遅れで発見され、何とかバックを残して(それもかなわず昇天も多い)、再起を図るという経験をお持ちのことと思います。新芽が動かない、葉にツヤがなくなって柔らかく感じる、一昨年木の葉は元気そうなのに昨年木の葉が黄色くなっているなどに気づいて株元調べると腐っているパターンが多いですね。発見のだいぶ前に罹病しているようですが、まず発見できません。発見時にはステージ4の手遅れ状態。出やすい品種とほとんど出ない品種があるように思います。
またやっちまった! バックから切り離したスッポヌケの新木:本日発見
ニオイ自然種純白花ですが銘を「スッポヌケ」としたいくらいよくヌケる。よって殖えません。
ここまで腐っていましたが今回はバックは助かったかも?
ニオイエビネの増殖が悪い原因の一つに、他のエビネに比べてスッポヌケが多く、重症化しやすいことがあると思います。早く発見できても新芽。昨年木くらいの切除で済めばいい方です。その時点で2年分の時間がパ~になり、そのバックからの芽吹きで回復させるのに数年を要すことはざらです。再発して天国行きになることも多いです。リスク率が高すぎます。
殖えないもう一つには品種差はありますが、芽数が少なく増殖率が悪いことでしょう。根が太いのに弱く腐りやすく、そこからバルブに腐りが進むことも多い。
W芽になることは多くなく(増殖が良い品種はコオズの血が入っているものがあるように感じます)、勢いをつけすぎると病気にかかりやすい?バックぶきがうまくいけばうれしいですが新芽が出なかったり、小苗で倒れたりもよくあります。やっと株分けできて2株になったと思ったら片方がスッポヌケでバッタリ・・・ほんとうに気難しい困ったお方です。
ニオイのスッポヌケはよく軟腐病といわれますが、他のカビ菌なども悪さしているかもしれません。
発生防止は、風通しをよくして、浅植え気味にして、できるだけ触らず世話をやき過ぎないことと思いますが、薬剤での予防(細菌用の殺菌剤など)はあまり効果があるように感じません。発生してからはバルブの中で広がっていく(弱い品種ほどひどくやられる)ので薬剤は効かず、可能なら一刻も早く早く外科手術(切り離し、腐り部分のていねいな除去)するしか助からないようで、これといった決め手がなく悪魔の仕業のようなもの。
たくさんの悪魔の目をかいくぐって株を維持し、増殖につなげられれば幸運と思っています。40年間作り続けて紆余曲折を経ていまだに1株だけ(増殖ゼロ)の品種もあります。
何の参考にもなりませんが、長年スッポヌケに悩まされてきた気持ちはわかっていただけたかと。
特効薬は・・・忍耐としぶといねばり、頑張り、気持ちを楽にさせるお清め酒(あきらめのお酒)
嗚呼、今夜の焼酎はうまいな~~