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蘭亭白木蓮

ブログをはじめました。 周りの心配をよそに衝動的に船出してしまいました。 定年退職しましたが元気に仕事を続けています。                   はるか昔、小学校理科の時間、ヘチマの種まきに胸をワクワクさせ、中高生の頃は家のベランダで大輪朝顔やぶどう、熱帯果樹の鉢栽培にチャレンジ、さらに学生時代には農学部で花卉園芸をかじり、就職、結婚して仕事に励みながらエビネなどの蘭を心のオアシスとして40年以上育ててきました。                          これまで歩んできた道筋を今一度たどりなおして、心新たに楽しみを深めていきたいと思っています。                                     庭の片隅に白木蓮の木があります。その傍らに自作の小蘭亭があり、蘭たちからの叱咤激励の声を聞きながら、これからも日々歩みを進めていきます。          コメントは大歓迎ですが、生来の筆不精、頂戴したらその返信を書くのに考え込んでしまう不器用、時代おくれのオッサンです。多分、返信はようせんと思います。   ブログ本文の中でお答えできたらと思っています。 失礼の段、くれぐれお許し願います。(画像、文の転載はご遠慮願います。2017.7.23)

エビネ ニオイエビネの越冬

棚下のエビネは冬眠中で静かにしていますが、着々と春の準備を進めていると思います。
今朝は冷え込んで、エビネ小屋棚上-3.7℃、棚下+1.1℃(エビネの葉上)。差4.8℃ありました。


棚下での保温が外気温より数度も高く保てることを不思議に思われるとのご意見がありましたが、これまで書いてきたようにいくらかポイントがありますのでまとめてみました。
①栽培棚を活用し、棚下(1.5~2坪)の空間を囲って、地面に近いところ(15cm)に木棧をわたし、鉢をかごに入れて置く(鉢は冷えやすい。地温利用の温床は強い味方。コンクリートはダメ)。
②棚の上にビニル張り+防寒板で放射冷却を防ぐ。ビニル張りは例年12月中下旬(少し寒さに当ててから)。寒さが厳しくなってきたら(1月になって)防寒板を載せますが、通常の年はここまでです。特に厳しい寒波襲来時(-5℃以下)には古毛布で棚上、側面を覆う。株の上に新聞紙を敷き詰めます。厳冬期、防寒板をおけば日照はなし(ある方がいいでしょうがムリ。防寒優先)。
③寒い日は棚側面にビニルをおろし、ほぼ密閉状態にする。密封状態では湿度が相当高く、鉢土はいつもシットリしており、潅水はほとんど必要なし。湿り具合を見ながら2~3週間に1度くらいで十分。

留意事項として心がけていること
①天気予報をよく見て、最高最低温度計を設置し、気温を管理する。長時間の低温、凍結には注意(万一凍結しても自然解凍させる)。無加温で管理。可能であればサーモ付き温風機を保険の意味で準備しておいたらいい(以前は使っていた)とは思いますが、高温になりすぎないことと、温度ムラに気をつける。気温の急変が少なく穏やか、シットリなのがよい。
②冷え込まないときには、側面ビニルを上げて通風を図る(病害防止)。寒乾風には注意。
③棚上(外気温)が冷え込んでも棚下は気温変化が少なく下がらない。棚上の気温が上がっても棚下はあまり上がらない。春が近づいても棚下は気温が上がらない。2月中旬から新芽が本格的に動き始める株があり、徒長させないように3月に入れば防寒板をとって、陽を取り、ビニルを調節して通風を図る(開花が遅れることはない様子)。通常3月下旬には鉢を棚上に上げ、しっかり潅水と薬散し、春管理に移行。
④これらは当方の小規模な小屋の栽培環境で長年やってきた結果による管理法ですので、あくまでも参考事例としてください。環境が違えば結果も当然違うと思います。自己責任で工夫を・・・
 
燦々と陽が差すきれいな小型ガラス温室での越冬(越夏も)は、温湿度、換気管理などの環境制御がとても難しく、高度な制御ができない場合、エビネにとっては過酷な条件になりやすい。コストもかかり、事故リスクも高いと思います。環境安定が第一。

当方の越冬方法は、長年、仕事多忙で管理に時間がかけられなかったため、いかに省力、放任的にニオイエビネを越冬させるかを試してきた実験・実証結果です。いろいろノウハウはありますが、囲ってしまえば手間はさほどかかりません。寒さで若干葉が傷む(品種差あり)ことはありますが、ニオイエビネは寒さに順応させれば、意外に低温にも耐えることがわかりました。
コオズ系の血が入ってくるとさらに強いように感じます。ニオイ率50%くらいのコオズなら、それほど防寒しなくても(不織布で覆うくらいで:霜、寒風は避けること。冬は乾燥しやすいので潅水の回数は増える。カラカラは絶対ダメ)通常の冬は十分越冬できるように思います。

ニオイエビネの耐寒温度についてのおたずねもありましたが、品種差や、鉢、コンポストなどの栽培方法、株の履歴などによって異なると思われるので、マイナス何度まで耐えるというようなことは、一概に言えないと思います(栽培書にも書いていない?)。また、凍結の被害はすぐに出ないことが多く、春になってから現れて枯死するものがあり、わかりづらい面もあります。
あくまで当方での経験では、プラ鉢・砂植えで-2℃くらいにはほぼ耐えるように思いますし、バルブまで凍らなければ(-4~5℃?)枯死はしないと思います。しかし、基本的には0℃は保ちたいですし、上作をめざす最適温度はもうすこし高いと思います。高すぎは早く咲いてしまう危険あり。
当方で上記のような越冬方法になったのは20年くらい前からになります。その間に、最低外気温は数回-7℃くらいになったことがありましたが、何とかこの方法で越冬できています(棚下最低気温は-1℃くらいと思います)。あくまでも省力栽培という前提での話ですので、上作をめざして努力されている多くの栽培者の方々にお勧めする方法ではなく底の方の話です。
一方で、 昨年のような暖冬ははじめてでしたので、何が起きるか逆にちょっと怖かったですね。
近年、ニオイエビネは低温対策より夏の高温対策の方がずっと対処が難しいように感じています。
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