秋から休日に少しずつ植え替えをしてきましたが、半分もできませんでした。冬の間もやれないことはありませんが(案外植え傷みは少ない)、寒いのが苦手で億劫になってしまいます。昨日は急に寒くなりましたが、今年最後の植え替えをしました。風が強く半日でやめました。
ニオイエビネはやはりだめですね。日焼けで急に遮光を強めたからか、暑さで参ったのか、新芽が小さいです。普通なら十分開花するサイズの株が咲きそうにないものがかなりあります。
来春は花の少ない春が確定してしまったようで余計に元気が出ません。
オークションはご支援をいただき、エビネはすべて落札していただきました。ありがとうございます。ニオイは殖えた株を栽培できる方に作っていただければと思ってやっています。でも繰り返し書いているように今年は根が悪く申し訳ない気持ちです。落札いただいた方々にはご苦労をおかけしますが、かわいがってやってください。
ヤフオクは以前と比べると、商品売買の場的な性格が強くなって、システムは便利になりましたが素人にはあまり面白みがなく、悪用する人もおられるようでリスキーさを感じます。ただ、ニオイエビネのようなマニアックな植物を作れる人は全国でもわずかしかおられず、私が突然コテッといったり、病気で作れなくなったら家人はきっと枯らしてしまうでしょう。存続させることは栽培者の義務のように思っていますので、栽培できる方に出会うにはヤフオクはとても役に立つ場と思っています。そこからこのブログを見に来て下さる方も随分おられるようでうれしいです。今回の
落札者の方からも励まし?をいただきとてもうれしかったです。
交配育種が進み、昔は見かけなかったようなきれいなニオイが多く作出されている中で、私のような古い地味な自然種ニオイを大切にして作り続けているのは少数でしょうが、自然種の無銘株はずいぶん減っているのではと心配しています。気が付いたら40年預かってきましたが、次の世代に引き継がないといけませんね。
次回のオークションではニオイの小さな株と数年前に大株をばらしたキリシマエビネの銘品「鈴姫」がいくらか大きくなったので出してみようと思います。キリシマのことはブログにも書きました(2017.8.12「キリシマエビネのこと」)がなかなか難しく、ニオイのように急にバタッとは枯れないですが、我慢のいる品種が多いです。「紺竜」というヒゼンともキリシマともいわれる古い品種がありますが、栽培が難しく大きくなりにくいです。キリシマエビネは殖えにくく、香りもなく姿も地味であまり見向かれませんが、原種らしい良い風情があります。一時期、育種親として集めていたことがありましたが、災難などで多くを失ってしまいました。キリシマエビネの銘品は出物がほとんどなく、一部を除いて絶滅寸前なのではないかと心配しております。知っていただく意味で掲示物として出してみます(落札されなくても全くいいのです)。
キリシマエビネ「鈴姫」