新根が伸びてきて肥料を効かし、充実させる時期ですね。
肥料あたりによる根傷みは肥料のやりすぎによる障害ですが、施用してしばらくしてから現れるのでわかりにくいかもしれません。傷んでいるうえに余計に与えるのは最悪でしょう。
肥料のやり方も栽培者でいろいろな流儀がありましょうが、個人差が大きいように思います。
ついつい多めになっているように思います。
エビネの施肥については、2017.8.13のブログ「肥料施用」も参考に見ていただけたらと思いますが、ここでは補足的に書いてみます。
肥料を2倍やれば2倍の生長量があるなんて誰も信じませんが、多目にやればもう少し良くなるのではないかという欲があるのはだれでものことかもしれません。そして痛い目に・・・
小生の経験で申せば肥料は少ない目、薄目がちょうどよく、野生の植物は耐肥性が弱い(たくさんの肥料を吸収しにくい性質)のものが多いでしょうから多肥は禁物と思っています。多めの人に比べたら施肥量は半分以下かもしれません。
基肥として緩効性肥料を少量施肥+株の様子によって液肥で調整がいいと思いますが、手加減は難しいかもしれません。私も確固たる自信はありません。品種の肥料に対する強弱や株の大きさ、充実具合の差もあると思います。弱小株は特に薄い液肥主体が無難ではないでしょうか。
今年、使用しているものですが(時々変わります)、
緩効性肥料ではマグアンプ(N6-P40-K15-Mg15)を使います。植え替えの時に5号鉢で2g(15粒くらい)を植え砂に混ぜて使用しています。植え替えの手間がない時には、上砂を多いめに除去して、マグアンプをパラパラ入れて新しい砂を追加し、植え替えの代わり(1年先延ばし)にしたりします。肥料あたりが少なく使いやすいです。1~2年肥効が持続しますが効いているのかどうかよくわからりません。
固形有機肥料(置肥)では、グリーンキング(N6-P5-K2)とBe-1(N3-P6-K5)を使っています。成分的にはグリーンキングの方がNが多いので主に春肥(5月下旬頃)に使用し、5号鉢で約5~10粒(2gくらい)、少しBE-1も加えています。秋(9月中旬頃)はNの少ないBE-1を5号鉢で約20粒(2~3gくらい)与えます。よくカビが生えます。グリーンキングの肥効はしばらく持続(1~2か月)するように思います。施肥量は少ない目で、夏はいったん肥料分を抜き加減にして休ませます。かつては有機質肥料をほとんど使わなかったこともありますが今は使っています。液肥のようなシャープさはありませんが楽ですね。新芽や株元から離して鉢の縁に近いところへ置きます。
液肥は主にハイポネックス青(N6-P15-K10)を薄くして使用します。2000~3000倍の薄いものを5~6月、9~10月頃様子を見ながら必要な株に週に1回くらいやります(葉が茂ってくると意外に面倒です)。液肥は即効性で補完的には使いやすいです。他の肥料とはあまり混合しません(製品ごとにバランスがあるので)が、必ず計量して使用します。目分量ではたいてい多すぎます。混合するより別々に日を変えて薄く与える方が良いと思います。ついつい混ぜたくなりますが肥料のバランスを崩し、また濃い目になっている可能性があるように思います。
2種混合する場合、それぞれ1000倍で使用と書かれてあれば、1000倍+1000倍にすれば当然濃くなりすぎます(成分にもよりますが倍の500倍の濃度になっています)ので注意がいります。
活力剤は効果がわかりにくいのであまり使用しません(植え替えの後、根が伸び出す頃、夏の終わりなど限定的に使用)。感覚的には頻繁にあるいは濃くやるのは良くないように感じています。
マグアンプK大粒 この大きさが使いやすいです。
グリーンキング Be-1よりやや大粒です。
Be-1 原材料がグリーンキングとはだいぶ違うようです。
農薬散布は、新芽が伸び始める前にしたきりやっていませんでしたが、ハカマが取れて葉柄や葉が少し固くなったので、殺菌剤と殺虫剤を予防的に使用しました。
ダニやカイガラムシは大発生してからでは防除が困難で被害も大きくなりがちなので、この時期にきっちり予防します。
農薬の過度な混用による薬害は薬剤そのものの害もありますが、肥料の混用と同様、濃くなりすぎることも原因の一つだと思います。散布した薬剤が速やかに乾いて固着するように、また高温時は特に薬害が出やすいので気をつけます。
エビネへの農薬使用については、このブログのエビネ小屋2017.8.13「薬剤散布による防除」も参考に願います。農薬には農薬取締法による規制があり、エビネは非食用作物ですが、法的には使える農薬が少ないです。エビネ関係HPの一部には使えないはずの農薬名が出ているようですが、ここではコンプライアンス(法令遵守)の立場から載せていません。ご理解ください。
なお、わが家で家庭菜園などで使用している農薬については、2018.5.27 井蛙独白の「農薬」という記事があります。