ニオイエビネ「紫の君」

ヤフオクにニオイエビネを数点出品しています。
銘品は「紫の君」と「青海」です。どちらも古い自然種のニオイですが、私は「青海」が苦手であまり良くできません。
商品説明に「紫の君」には同名異種があり、これはニオイの方と書きましたが、いくらか記憶違いがあるかもしれませんが少し触れてみます。
「紫の君」はかなり古くから２種類あったと思います。
出品中の「紫の君」は1990年に愛媛のエビネ業者から購入（1990年9月23日）した記録が残っていますが、その時にはある程度知られていたように記憶しています。ニオイエビネの血が濃く、大きくなり多花性です。ずいぶん交配にも使いましたが、結実も良好で良い子を産みました。当然自然種で2倍体と思われます。四国の方に入った「紫の君」なのかもしれません。愛媛の方々はニオイエビネに関心が高く、集まってきていたという印象があります。ニオイブームの初め頃、業者のところへ関東方面から来てたくさん買って持って行ってしまったという話を聞いたことがあります。
もう一つの「紫の君」はいつの頃かは存じませんが、九州方面に入ったものとお聞きしたことがあり、これも古い品種と思います。実物を見たことはありませんが、画像では花型がよい花のようです。ニオイエビネ花図鑑の81ページに「紫の君」が載っていますが、これはこちらの方と思われ、新島産コオズ系ニオイとなっています。3倍体ではないかといわれています。有名な業者のK園さんでもかつて「紫の君」はNo1,2,3と3種あってNo3(コオズ）がこちらの品種だったように思います。
K園さんの銘花集によれば、ニオイの血が濃い「紫の君」No1を使って「紫雲涼」などの名花が作出されたようです。
どちらも古くからある同名異種で、区別して混同しないようにすれば良いのではないかと思います。エビネには多くの同名異種や同種異名もあるようですね。

　わが家の「紫の君」　ニオイの血が濃く多花性(40輪以上咲いています）。