ブログをはじめました。 周りの心配をよそに衝動的に船出してしまいました。 定年退職しましたが元気に仕事を続けています。 はるか昔、小学校理科の時間、ヘチマの種まきに胸をワクワクさせ、中高生の頃は家のベランダで大輪朝顔やぶどう、熱帯果樹の鉢栽培にチャレンジ、さらに学生時代には農学部で花卉園芸をかじり、就職、結婚して仕事に励みながらエビネなどの蘭を心のオアシスとして40年以上育ててきました。 これまで歩んできた道筋を今一度たどりなおして、心新たに楽しみを深めていきたいと思っています。 庭の片隅に白木蓮の木があります。その傍らに自作の小蘭亭があり、蘭たちからの叱咤激励の声を聞きながら、これからも日々歩みを進めていきます。 コメントは大歓迎ですが、生来の筆不精、頂戴したらその返信を書くのに考え込んでしまう不器用、時代おくれのオッサンです。多分、返信はようせんと思います。 ブログ本文の中でお答えできたらと思っています。 失礼の段、くれぐれお許し願います。(画像、文の転載はご遠慮願います。2017.7.23)
あのエビネブームは何だったのでしょう。
むかし、むかしからエビネという野生蘭は野山にあって、ただただ美しい花でありましたが、エビネの知らぬところで何故か人気に火が付き、流行を作り出しては熱狂的に人はそれぞれの思いをもって走り回った。エビネの美しさにひかれたのか、価格価値の欲に目がくらんだのか、いったい何に魅せられたのでしょう?
山取りでエビネの自生は壊滅的に損なわれていきました。今、山は静けさを取り戻しつつあります。少しずつではありますが山にエビネが生えていたという話を聞きます。うれしいことですし、自然の力の強さに驚かされます。
ブーム、一種のバブル?の崩壊の原因は何だったのでしょう。ウイルスの蔓延による価値の消失と、育てた株の需給バランスや東洋蘭のような株の売買による経済的な循環が難しくなったからかもしれません。
交配育種が盛んになりウイルスはかなり減ってはいるようですが、育てる人が減少し、市場の縮小?で業者さんも大変だと思います。しかし、業者さんは栽培者の多くの情報を集め、ニーズを反映させるキーステーション、世話役的な機能を持っていると思っています。顧客満足への個性発揮の競争も激しくなる中、個人主義が深まり、嗜好は横に広がり、煽ってもついてこない時代になりつつあるように感じています。
交配育種による増殖は、エビネが野の草から園芸植物への道、大衆化への道を歩み始めたということでしょう。かつては貴重だった梅弁や丹頂などといった株は、親を選べばよく似たものが大量に作り出せる時代になり、価値観が変わりつつあります。
次々と望まれる新しい品種が生み出され、高価な品種の株分け増殖によって利潤を得るようなこれまでのビジネスモデルでの発展は難しくなっていくかもしれませんが、園芸化の道はそれとして発展してほしいです。しかし、他の園芸花卉と比べると、いろいろな弱点もありそうです。
流行や珍しさを追うだけでは、新品種がすぐに陳腐化していくように見えます。大胆な種間交配や倍数体育種が盛んになり、銘花集を見れば大輪、梅弁が当たり前になって、色鮮やかな濃色や巨大な舌など洋蘭的な雰囲気を感じさせる花もあります。しかし、色と形だけがエビネの良さではないと思います。野性味のあるエビネらしさを求める嗜好とは少し距離感があるように思います。
野の草として原種や野性味を愛でることも大切にしたい気持ちでいっぱいです。細弁でも整然とした花序を持つ株の美しさは格別のものがあります。
長年、仕事をしながら心のオアシスとしてエビネに慰め続けられてきました。
エビネは美しい花ではありますが、これからは、それぞれのニーズに沿った幅広い価値の広がりも大切にしていくことが必要だと思います。新たな消費や使われ方、楽しみ方と生産販売がマッチする次世代のビジネスサイクルの創造がないと発展しないかもしれません。
一方で、高齢化社会が進む中で、蘭のある暮らし、そしてその世話をし続けるささやかな楽しみは、個人の幸福を養い、社会的にも価値あることだと思います。
自然種ニオイエビネ 御蔵輝星 濃色ですがあまり青くはありません
原種や自然交雑種は依然として株分けによる増殖が必要で、園芸化の流れとは一線を画した世界かもしれません。
また、交配種の自然界への流出による自生への影響も無視できないと思いますが、あまり論じられることはありません。自生種が少なくなったとはいえ、その地域に自生のないものを入れるということの環境への影響はあとからでないとわかりませんし、後戻りは難しいことなので慎重でありたいと思います。エゴはいけないと思っています。
エビネと40年、ずっと井の中から外界の出来事を見てきました。展示会には若い人が少ないです。HPやブログの更新も滞りがちのものが多くなりつつあります。新たな話題も少ないようですが、過去を追い続けるだけでは続きません。
これからのエビネを担う新たな愛好者はどこにいるのでしょう。その開拓なしにエビネの将来への道は厳しいかもしれません。
こんなに美しいエビネを何とか次の時代に発展できるよう引き継いでいきたいと思っています。
自然種ニオイエビネ 虞美人 青みがあり、ちょっと変わったタイプのニオイエビネ
とりあえずこれまでの歩み、考えてきたことを縷々書いてみました。
一気に書いてきましたので誤字、脱字はもちろん、間違いもたくさんあると思います。
読み直しながら修正していきたいと思います。すみませんです。
これからは日々の栽培の中で見たこと、感じたことをポロポロ書き続けていきたいと思います。
ここまで少しでも読んでいただいた方々に心より感謝いたします。
今後ともよろしくお願いします。
これまでの交配結果などについて、自家交配や公開されている結果なども含めて私なりに感じているところを記してみます。これこそ各人の好み、目的があり、一概に良し悪しを言えるものではありません。全く私の好みの中でのことですのでご了解願います。
・ニオイエビネの血が濃くなるほど発芽、その後の生育が悪い傾向。セルフは発芽困難
・ニオイエビネのシブリング交配は、個体差はあるが花色の変異の幅は比較的狭い
・コオズ×ニオイはバラエティが出るのでおもしろい。発芽もニオイよりよいことが多い
・ニオイエビネの発芽は個体差があり、発芽のよいものは交雑種の可能性もあり?
紫錦閣×御蔵紫王 青みのあるすっきりした引き締まった感じの良株
(紫の君×天紫梅)×御蔵紫宝 濃色、距はやや短い
御蔵紫王×島の輝 青紫弁で白の舌がよい。整然とした花序
・原種どうしの交配は中間型が多く、自然交雑種の交配はバラエティが多い傾向
・淡色交配から濃色は出にくいが、濃色×濃色=濃色とは必ずしもならない
・よい子を生みやすい品種、親はよくても子はよいものが出にくい品種がある
・交配には相性があるよう。よい交配は子全体のレベルがよく、駄花が少ない
・初花はたいてい貧弱だが、どこかよい点があれば成株になって見違えることあり
・青紫×青紫=濃青紫とはなりにくい。両方の色が重なり濃色になるものでもない
・親株の選定は見えている形質に着目するしかないが、期待外れも多い
・親株の良いところばかりではなく、悪いところからも目をそらさない
・全体の調和、バランス、花序や花の角度、距の形などは鑑賞価値の上から重要
・花型は母株に似ると言われるがよくわからない。♂♀逆の交配による差もわからない
・採取された当時と比べ、花弁の色が変化してしまった品種があるように感じています
サツマの紫晃などはもっと青みのある紫だったと記憶していますが、今では赤紫にしか
咲きません?。微量要素か何か原因は定かではありません。目の錯覚?
・コルヒチンによる4倍体育成は倍化処理が難しく、枯死が多いので業者さんにお任せ
・4倍体は花弁、葉が厚くなり、交配親としては魅力あるが鑑賞的に優れるものは少ない
・苗の生育遅延、花茎が伸びにくい、花が開きにくいなどの性質を持っていることが多い
・理論上は4倍体×4倍体=4倍体、2倍体×4倍体=3倍体:すべてそうなるとは限らない
・3倍体は比較的育てやすいが、交配親には使いにくい(しいな種子が多く発芽不良)
4倍体?コオズ 業者のビン苗から育成 兄弟株は淡紫桃弁白舌が多い 厚葉
3倍体?コオズ 業者のビン苗から育成 4倍体×2倍体
・自然種ニオイエビネ、コオズ品種で良い交配結果(私の好み)があった品種
御蔵紫王:花型、花序良、舌特に良い 御蔵輝星、御蔵紫宝、紫の君:濃色
青海:花型、花序良、濃色 御蔵娘:花序良く濃色 紫錦閣:青紫弁
天紫梅:整型、大舌 喜紫王:青紫弁 大紫香:大輪
濃紫香(コオズ):濃色(バラエティ) 島の輝:濃色
・自然種交雑種でおもしろい交配結果があった紫系のサツマなど
流星晃:大輪、紫花、相手によって差 繊紫舞:バラエティ多、おもしろい親
桔梗の姫、一倉:整型、良花序 薩摩紅:大輪、紅系多、強健
上の画像2枚はいずれも 紫の君×繊紫舞 バラエティ豊かな交配