朝顔、オクラ、キュウリ(3回目)の種を播きました。
晴れの天気が続いていて今週は気温が高くなりそうです。
6月に入ったらすぐに梅雨入りしそうと、かなり自信ありげに予報で言っています。
水が無かったら困りますけど大雨も困るなあ。近所では田植えの準備が始まっています。
災害のない適度な梅雨になりますように…
題材が少なくマンネリ気味ですが、ニオイエビネ原種探訪の記事を数回書くつもりです。
私の覚えのようなものです。おもしろくはないので、お忙しい方はスルーしてください。
この春、40年以上楽しんできたニオイエビネをふりかえってみました。近頃はだんだん記憶が薄れたり勘違いが多くなったので書いておこうと思います。
1980年頃のニオイエビネは今とはずいぶん様子が違っていたような気がしますので、記録や写真、書籍類を改めて見直してみました。
この記事は、ニオイの現状を批判的に言う意図は毛頭なく、ニオイの関心が高くなったことをとても喜んでいる齢を重ねてきたファンのひとりとして、原種ということについて率直に書いたまでで、もう多分書くことはないと思います。エビネ趣味者は昔から語りたがるんですよね。
個人の狭い経験、知識での話ですので、きっと勘違いやまちがいがあると思います。ご勘弁を・・
このブログのはじめの頃、「ニオイエビネという種(2017.8.10)」や「ニオイエビネ、コオズ、ジエビネの外観的ちがい(2017.8.12)」などを書いたことがあり、その当時と考えは大きく変わってはおらずダブリの記載も多いと思いますが、植物分類から見たニオイエビネ(原種)とはどういうものなのか、画像を使って私なりに改めて整理してみました。
植物分類的に種としてのニオイエビネ(原種)は、趣味の世界のニオイ、コオズとは様子が違うと感じます。
1984年発刊の高橋勝雄著(毎日新聞社発行)の「日本のエビネ花譜 VOL3」では、分類検索から一歩踏み込んで、実物の写真の解説という形でニオイエビネの原始的形態へのアプローチがなされています。この時代はまだ自然種の画像ばかりでしょうから貴重な記録と思います。
先生もずいぶん前に亡くなられ、著作権に問題があるかもしれませんが、画像転用させていただきます(先生、お許しを~)。
この本に収録されているニオイ、コオズの掲載写真74枚の内訳は、ニオイ1、ニオイ系13、コオズ系5、コオズ55で、断然コオズが多いです。当時はコオズの人気が高かったからかもしれません。
高橋先生は形態的な特徴から、かなり厳密にニオイエビネをとらえられており、写真でジエビネ的な形が見られる点を示してニオイ系、コオズ系などに区分されています。先生の独断ではなく、関係の会や栽培の方々の意見も踏まえられているようで、みなさん納得?の判断だったのではと思っています。
この本の中でたった1枚だけニオイエビネ(系がつかず)と紹介されている写真があり、その説明にはニオイエビネの典型的な特徴として、①花弁が藤色に似た桃紫色 ②反転咲きで花弁のふちが後方へめくれる ③側花弁は萼片に比べ細い ④舌の中裂片は尖る ⑤側裂片は斜め下へ伸びなで肩に見える ⑥距は細く子房より長く先端は上向く ⑦花はヒヤシンス状に密集咲、と記載されていて、まさにそのとおりと思います。
私はこのほかに中裂片の隆起線が中心の1本のみ明瞭で、左右の線は目立たないことや舌全体が屋根型になることなども見るようにしています。
画像いちばん左が唯一ニオイエビネとして掲載されている株。(右側の画像はニオイエビネ系)

拡大 先生も触れておられますが舌の黄点が薄い。
左の画像の解説
この本では、今ならニオイエビネと記載されそうな優品株が、交雑の可能性があるとしてニオイエビネ
系と表現されている株が多数あります。先生は特に中裂片先端の形状を重視されているようです(先端がとがり二又しない)。
純度の高いニオイエビネの自生が多かったといわれる御蔵島であっても、御蔵島産=ニオイ原種ではなく、純粋なニオイエビネから、ややコオズを感じさせるニオイエビネ系まで、わずかに交雑の可能性が感じられる自然種はかなりあったのでしょう。
近年のニオイエビネはこうした原種的な探求とは別の世界に発展しているように感じていて、それはそれでいいのですが、ニオイエビネの本来の種しての姿は見失わないようにしたいと思っています。