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蘭亭白木蓮

ブログをはじめました。 周りの心配をよそに衝動的に船出してしまいました。 定年退職しましたが元気に仕事を続けています。                   はるか昔、小学校理科の時間、ヘチマの種まきに胸をワクワクさせ、中高生の頃は家のベランダで大輪朝顔やぶどう、熱帯果樹の鉢栽培にチャレンジ、さらに学生時代には農学部で花卉園芸をかじり、就職、結婚して仕事に励みながらエビネなどの蘭を心のオアシスとして40年以上育ててきました。                          これまで歩んできた道筋を今一度たどりなおして、心新たに楽しみを深めていきたいと思っています。                                     庭の片隅に白木蓮の木があります。その傍らに自作の小蘭亭があり、蘭たちからの叱咤激励の声を聞きながら、これからも日々歩みを進めていきます。          コメントは大歓迎ですが、生来の筆不精、頂戴したらその返信を書くのに考え込んでしまう不器用、時代おくれのオッサンです。多分、返信はようせんと思います。   ブログ本文の中でお答えできたらと思っています。 失礼の段、くれぐれお許し願います。(画像、文の転載はご遠慮願います。2017.7.23)

無菌播種の楽しみ

クリーンベンチ作成
移植作業を効率的に安心して行えるようにオークションで中古のエアフィルターを買い、クリーンベンチを手作りしました。制作経費は13000円ほどです。フィルターが大丈夫か不安でしたが、移植してもコンタミはほとんど出ませんので、まずまず使えそうです。

ここ2~3年はまたニオイエビネのシブリング交配やニオイ×コオズをやっています。業者のように
うまくはできませんが、いくらか苗ができればいいということで気楽にやっています。あまり多量に苗を作っても栽培できません。専門の業者の方々のプロの研究、技術はすごいと思います。
ニオイエビネのシブリング交配は親以上のニオイエビネ作出が目的ですが、目標をはっきりしてやらないと交配することが目的化してしまいそうです。純度が高いニオイエビネほど苗ができにくく、また親を超越するようなすぐれものはなかなか出てこないのでは?。バラエティで遊ぶのはコオズ系の交配が断然おもしろそうです。微コオズのような株なら、ニオイの血が濃くてもいくらか発芽し、苗は何とかできるようなものもありますし、素人ではこのあたりまでが楽しいところかもしれません。

交配親には好んで自然種を使いますし、交配種は可能な限り交配親のはっきりしている品種を使っています。ほとんど発芽しない組み合わせもありますが気にしません。あまり高度な園芸品種化を求めず野性味を大切に交配を楽しみたいと思っています。
色だけでなく全体の姿、調和から距の形、香までいろいろ考えるのは楽しいものです。培地の研究まではやる気がありません。交配育種は自分の命の時間との闘いでもあります。青い花との出会いを夢見る男のロマンで十分です。
 

   手製のクリーンベンチ  たいへん簡易な作りですが使えています。殺菌灯点灯 火は使いません
  
交配:開花して2~3日くらいの花に交配します。まず爪楊枝を使って交配する♀花の花粉を取り除き(自家受粉を防ぐ意味)、♂株から花粉を爪楊枝で採取し(花粉も開花後2~3日くらいのものを使い(楊枝の先にひっついてこないような花粉は×)、花時期が合わなければ花粉は冷凍して交配まで持たせます。十分受精します、場合によっては数分割して使用します。)柱頭へ受粉します。交配記録はよく確認しておきます。交配後数日すれば受精の兆候が現れるのでチェックしておきます。1株の着果数は3個くらいまでにしています。  
 
培地
:ハイポネクス培地をアレンジ(大したことはしていません)して使用しています。発芽培地(小さいジャムビンを使用)はかなり薄めにしています。移植培地(マヨネーズビンを使用)にNAAを添加しています。滅菌は圧力釜を使用し、20分殺菌です。作業の2週間くらい前に作製し、汚染のないことを確認して使用します。
 
採種:10月中旬、莢が黄化するころに採種(ほぼ完熟種子でパラパラの状態)し、管ビンに界面活性剤(微量)入りの 水を入れ、種子を入れて振り、アルミ箔でキャップしま す。2日くらいですべて沈みます。種子が黄色味を帯びていれば有胚が多く期待できますが白いと不稔が多いです。
 
播種:クリーンベンチで播種します。種子の殺菌は殺菌力の強い次亜塩素酸水(アミュー製)を滅菌水で薄めて使用しています(次亜塩素酸ナトリウム、アンチホルミンではありません)。コンタミはほとんど出ませんし、種子の発芽も阻害しないようで使いやすいです。
播種は使い捨てのミニスポイトを使用し、混種を防ぎます。播種後常温で静置し、1か月くらい汚染の有無を観察したのち、冷蔵庫野菜室に入れておき次年の春に常温に戻して発芽させます。冬に加温して発芽促進させるのが普通ですが、考えがあって今はあえてしていません。
ニオイエビネの発芽は他のエビネとは様子が違って一斉に生えることは少なく、1年くらいかけてぽつぽつ出てくるものが多く、また発芽してもその後の生育が遅いことが多いです。
播種して1年くらいはあきらめずにそのままにしていると出てくるものがあり、2年経ってようやく移植できることも多々あります。あせらずのんびり待っています。
 
移植:発芽の量、時期に応じて適期に移植します。 遅れると後 の生育が悪くなります。ひどくなるとビン内の環境悪化で全滅してしまいます。クリーンベンチがあれば作業が効率的に安心してできるので助かります。クリーンベンチ内の消毒は次亜塩素酸水で拭き、殺菌灯を使います。
移植すると培地がいくらか変化するので生長に影響しやすく、褐変するものが出てきます。このあたりの対処はケースバイケースで難しいです。
 
管理:播種2年目の冬の間、保温対策をしたガーデンケース内で加温(ヒヨコ電球+サーモで20~25℃、植物育成灯で16時間日長)して苗を育て(この間必要に応じで移植します)ビン出しサイズまで育てます。温度ムラに気をつけ、あまり高温にしないようにしています。
後の生育がよい5月頃のビン出しを目標にしますが、ニオイエビネの苗はなかなか大きくならないものが多く、再度移植して秋以降の植え出しになるものもあります。夏の高温をいかにしのぐかが課題です(クーラーのつけっぱなし?)。あまりビン内で長く頑張るより、ある程度の大きさにな ったら植え出した方が調子が良いように思いますが、小さいほどに管理には気を使います。培地の水がなくなって硬くなりそうな場合は水や培養液を追加することもあります。
 

  冬期間の培養  保温対策をしたガーデンケースの中で育苗をしています
 
植出し:ビン出しの前3日くらいにふたを少しだけ開けて外気に触れさせることもあります。順化ビンから丁寧に出して水に取り、寒天は簡単に落とし、決して根をしごいて除いたりはしません。薬剤も使いません。プラポット底に鹿沼土を少し入れ、水苔に2割くらいクリプトモスを混合したもので軟らかめに1ポット数本ずつをまとめ植えにして活力剤を与え(気休めです)、ビニル袋に入れ、1か月くらいかけて少しずつ通気を図り順化させます。乾燥は厳禁です。
翌年春までそのまま管理し、その後は生長に合わせて移植していきます。栽培スぺースが狭いので交配ごとの育苗数は少ないです。数株開花すればよい交配かどうかおおよその見当はつくように思います。また、ちょっとしたことで開花までの年数が1~3年くらい遅れてしまいますので小苗の時には特に丁寧に管理することが大切と思います。


 ビン出し苗 ビン出して2か月余り、苗の出来が悪く、葉先もいたんであまり調子よくありません
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井蛙、大海を知らず            お酒の誘惑に弱いケロちゃん ノムトダメダス

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