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蘭亭白木蓮

ブログをはじめました。 周りの心配をよそに衝動的に船出してしまいました。 定年退職しましたが元気に仕事を続けています。                   はるか昔、小学校理科の時間、ヘチマの種まきに胸をワクワクさせ、中高生の頃は家のベランダで大輪朝顔やぶどう、熱帯果樹の鉢栽培にチャレンジ、さらに学生時代には農学部で花卉園芸をかじり、就職、結婚して仕事に励みながらエビネなどの蘭を心のオアシスとして40年以上育ててきました。                          これまで歩んできた道筋を今一度たどりなおして、心新たに楽しみを深めていきたいと思っています。                                     庭の片隅に白木蓮の木があります。その傍らに自作の小蘭亭があり、蘭たちからの叱咤激励の声を聞きながら、これからも日々歩みを進めていきます。          コメントは大歓迎ですが、生来の筆不精、頂戴したらその返信を書くのに考え込んでしまう不器用、時代おくれのオッサンです。多分、返信はようせんと思います。   ブログ本文の中でお答えできたらと思っています。 失礼の段、くれぐれお許し願います。(画像、文の転載はご遠慮願います。2017.7.23)

無菌播種にチャレンジ

無菌播種事始め
学生時代に花卉園芸を専攻する中で無菌播種の技術(というほどのものではありませんが)を身に着けることができましたが、就職するとそれを生かすこともなく、 目の前の仕事に追われる日々を過ごしていました。しかし先生からお聞きした香りのあるエビネ育種への思いは細々と持ち続けていました。それをつないでいたのが、以前触れた(ブログ7/26)神津島産のニオイエビネでありました。
  
結婚し、団地に住むようになっていくらかの空間ができ、ベランダで育てていたこのエビネが開花するようになって、団地でできる範囲での交配育苗を始めることにしました。1983年頃のことで、最低限の機器を調達してのスタートでした。この株を♂株にして、手持ちのジエビネやタカネなどを♀株に使って交配し、締め切った風呂場で播種していましたが、発芽しやすい組み合わせでしたので案外順調に生育したようでした。
しかし、交配して数年の年月をかけて開花したとしても、単純な組み合わせでは面白い花が咲く確率が低そうに思えました。また、業者の真似などできるわけもないので、アマチュアらしく目標を絞って必要な品種を集めて交配することを目指そうと考えました。
  
交配育種の道
その時に決めた目標は今も持ち続けていて、ニオイエビネのような野性味のある青紫弁白舌芳香花でした。
目標実現に必要な株を求めて花時にあちこちの展示会や即売会、業者を強行日程で回るようになりました。そしてわずかな資金で精いっぱい背伸びして品種収集をしてい きました。良い形質を持つ 無名のニオイエビネ探索が旅の主目的でした。これは情報を仕入れたり、エビネを見る目が養われ、とても役に立ったと思いますし、楽しいことでした。

このころよく参考にさせていただいたのが、田村望武著「エビネの人工交雑種」(1986 誠文堂新光社)という本でした。道半ばの無菌培養などに貴重な知識を得ることができました。
交配をはじめた頃の記録は残っていませんが1988年ころに初花が咲いたと思います。全く平凡な花だったと記憶していますが香はあったように思います。数は多くないものの、その後も次々と開花し、いくらかはましな花も咲きましたが、自画自賛的な域を出ませんでした。株が増えてベランダもいっぱいになっていました。
      

 無銘ニオイエビネ?(87-03) このころ入手した透明感のある美しいニオイエビネ?
 
1990年に今、住んでいるところへ引っ越しました。
収集してきた株の中には開花するものが多くなり、またエビネブームも頂点に達したころで、交配にも力が入りましたが、仕事の方がどんどん忙しくなり、十分な世話ができなくなってい きました。このころから交配記録を管理するようにしていましたが、残念なことに火災でほとんど失われてしまいました。
記録は交配育種の宝だと思っています。業者交配のビンも購入して育てましたが、これは入手困難な交配親の良い遺伝資源の収集という面もありました。今では考えられないことと思いますが、購入したビン苗がやっと咲いてみると、どう見ても交配親が違うことがあり、がっかりしましたがどうしようもありませんでした。
      
新たなチャレンジ
巷ではウイルスの蔓延などでエビネブームが衰退し、交配育種の新たな流れができていきました。そのような中でいろいろ交配をし、2000年ころにはかなりの数の花も咲きましたが、(本当の)青という色にはなかなか近づけませんでした。青という色は多くの方があこがれを持ちますが、青いという触れ込みの花を実際に見て青いと思ったことはほとんどなく、せいぜい青みが感じられるくらいで発現の難しい色だと思っています。また、頭の中にある記憶の色はあまりあてになりません。また、画像での再現も難しい色です
ニオイエビネのセルフ(ほとんど発芽しない)やシブリング交配もやってみましたが、なかなか素人には難しく、試行錯誤しているうちに自宅火災の災難に遭い、育苗中の苗やそれまで蓄積してきた多くの成果を失ってしまいました。
災難から何とか復活し、交配は数年の中断がありましたが、新たな株も導入して徐々に再開しました。2~3年前から開花しはじめ、そこそこの花は咲きますがなかなか理想には近づけていません。これからあと何年できるかわかりませんが、目標を見失わず夢を持ち続け、我流を貫いて続けたいと思います。
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井蛙、大海を知らず            お酒の誘惑に弱いケロちゃん ノムトダメダス

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