食べるものに農薬を散布するのはいやだという気持ちはよくわかりますが、病害虫まみれになって収穫皆無になるのもつらい。最低限、必要な時にピシャっと効かすことでしょう。観察が重要と思います。
わが家では家庭菜園以外に花(ランなど)や樹木などがありますので、適宜使っています。
家庭菜園の農薬使用は、農薬登録情報やラベルを見て計量(2mlジャバラ式スポイト使用)して希釈します。
目分量で入れると大抵多すぎると思います。
1ℓのスプレー散布でほとんどは済みます。出荷するわけではないので使用は最小限ですね。
しかし薄くして使用するのではなく(十分に効かない)書かれているとおりにします。濃いめもダメ。
散布は葉の裏までムラなくていねいに散布するように言われますが、これが難しい。
浸透性の薬剤なら少々ムラがあってもいいのでしょうが現実的には至難の技。
ダニは特に葉裏に多く、増殖が速いので困ったもんです。細かい霧で圧力があれば裏側にも付着するでしょうが(プロの道具と技)小型噴霧器ではちょっと無理。早めの防除で密度を減らすくらいかな。
エビネなどは葉が多く重なり合っているので根性を決めて葉を一枚ずつ裏表やるくらいでやっとできる? ノズル、噴口の向きをうまくコントロールする技もいいですし、古葉を整理してしまって薬剤をかかりやすくするのも効果がありそうです。まあ発生しにくい環境づくりが一番でしょうけどね。
エビネに関してはこのブログの「エビネ小屋(2017.8.13)」にもいくらか記載しています。
樹木にはあまりやりませんが、カエデのアブラムシにオルトランやカシのうどん粉病にサンヨール、トリフミンを散布することがあります。風による飛散が問題(意外にドリフトはありますね)ですが、微風をうまく利用して霧を拡散させるのもありですね。
除草剤はほとんど使いません。
病害が発生する直前か害虫発生初期にやっつけるのがいいのですが、手遅れでひどいことになってしまうこともあります。発生する木が決まっているドクガやイラガはよく見張っています。局所的な発生にはエアゾール殺虫剤が便利です。
殺菌剤はカビに効くものと細菌に効くものは異なりますので注意が必要です。
カビ防除用が大半で、細菌病は使用が限定的です。
これから気温が高くなって、湿度も上がってきます。病害虫の発生時期を知っておく(記録しておく)ことと観察を怠らないようにしたいです。
だいたい毎年同じ時期に同じ病害虫が出てくるので症状をよく見ておいて予防するようにします。
でも、あまり神経質に全部抑えて完封勝ちしようなんて考えない方がいいと思います。
過度な混用はしないこと(3剤くらいまでかな?)。薬害が出やすくなり、効果も落ちる?
以下の画像はわが家で使っている農薬の主なものです。使用頻度、量が少ないのでなかなか減らないものが多いです(農薬は法で使用規制がありますのでよく注意すること)。
期限切れでもすぐに効かなくなるわけではありませんが、古いものは処分して買い替えるようにしています。
耐性獲得を含めて難防除病害虫への対処は難しい課題ですが、専門の方にお聞きするのが一番です。
特にダニは難しいですね。
殺菌剤
ダコニールは便利でよく使います。耐性菌の発生も少ないようです。
アミスターは難防除用の切り札です。頼り過ぎないように。
タチガレエースは細菌防除用+αです。なかなかの役者です。
バリダシンはイネの紋枯病の薬ですが、細菌防除用として重宝します。
サンヨールも便利です。銅剤で耐性菌ができにくそうです。殺虫効果もあり。
ジマンダイセンはごく一般的な殺菌剤。
殺虫剤
オルトランは、粒剤、水和剤(安い)も使います。浸透性殺虫剤で2週間くらい効きます。
粒剤は背の高い樹木では行き渡りません。液剤は使いやすいが高くつく。
コテツは多くの害虫に効き、難防除害虫の特効剤。
トレボンはピレスロイド系の即効薬。すぐによく効きますね。
アクテリックはガス効果もあるそうで薬害が少なく使いやすい。
コロマイトはダニ剤。卵、幼虫、成虫それぞれに効く。
ダニは耐性虫が発生しやすいので同じ薬を連用しない。乾燥時に出やすい。
ほかにニッソランやアーデントなども使うことがありますけど、完封はムリです。
カイガラムシにはスプラサイドがよく効きましたが今は小さい容器がなくなったようです。
殻ができる前の若齢虫なら、オルトランやアクテリックも効くようです。
モベント。比較的新しい剤で今年の新入り。浸透性の殺虫剤でダニにも効くとのこと。
浸透性のあるダニ剤はありがたいですが、効果はいかに? 期待の新兵器?
仲間の方から薬害が出ることがあるという話。慎重に使ってみます。1650円/100cc