ニオイエビネの新葉が日に日に伸びている。うれしいね! 今年は特にきれいに見えるなあ~
これからしばらくは大事な時期。注意深く観察しながら葉をしっかり伸ばしたい。肥料は展葉終了のころ(5月下旬)までやらない。薬剤散布も基本的にはしない。
いらん世話をしないでのびのび育てる。
この時期は、風が強く吹いたり湿度が低かったりで案外乾きやすく、潅水はやや甘目にしている。
品種によって照度の要求が違うので、適当な場所に配置してあまり動かさないように管理する。
照度も時々測ってみるが、青天下で11万ルクス、小屋中は5000~10000ルクスくらい。
今日はニオイエビネの育種から少し離れて、サルメンエビネ(以下サルメン)が関係する育種について・・(メモ)
とは言いながら、サルメンについては自生地を見たこともなく詳しくもないので、あれこれ書く資格はありませんが、ふと思いついたのでメモ代わりに書いてみます。
記憶違いやまちがいもありましょうが、コメントでご指摘いただければありがたいです。
サルメンはやや冷涼な気候を好むので、東北地方や西日本でもやや標高の高いところに自生している。
野性味のある蘭で、昔のエビネ展でも時々即売では見たが、あまり注目されなかったと思う。
私自身は特異な花が気になって、一度入手して作ったことがあり花は咲いていたが、その後どうしたかは記録にも残っていない。画像や交配をした記録もなく、多分2~3年で枯らしてしまったのだろう。
サルメンはやや大きめの緑弁に赤紫茶の大舌で、個体変異は少なく命名された原種サルメンエビネは知らない。並品でも舌の色、形が特殊で迫力がある。香りはなかったと思う。
素心といわれる舌の赤みがないもの(素心?、黄サル?)はあったよう。
人気があったのはイシヅチと呼ばれるサルメンとジエビネの自然交雑種で、これには「天朝」など、特徴ある品種があって相当高価だった。今でもたまに見かける。
また、キリシマエビネとの交雑種?といわれた品種も記憶にある(「白鳥」とかいったかな)。
人工交配の普及とともに、このサルメンエビネの可能性が急速に大きく広がった(1990年頃~?)。
サツマやタカネ、ヒゼンなどとの交雑が盛んになり、それまで見たこともないようなバラエティあふれる品種群が生まれていった(個人的にはあまり興味を持たなかったけど)。
記憶に強く残っているのは日本えびね園さん作出の「武蔵(天朝×紅無双)」で、サルメンの血を引く交配種であるが、遺伝性が優れ、ここらあたりから多くの品種が生まれていったように思う。
現在ではサルメンの遺伝形質は育種素材としてなくてはならない存在となり、倍数体も加わって一層バラエティが拡がって大きなジャンルを形成している。今後のエビネ育種の可能性を見る思いがする。
サルメンはもともと舌が大きく濃色なので、サツマなどの改良、丹頂系の育種に貢献したようだが、原種サルメンとの交配よりはその血を持つ品種どうしの交配によって次々と優品が作出された。
色彩はいろいろに変化し、一見サルメンの血が見えないような品種もあるが、舌型をよく見るとその片鱗を感じさせるものも多い。
かつてはサルメンを異質なエビネと感じる向きも多かったが、昨今の人気品種はサルメンの血をひくものが大変多い印象がある。私自身はこのジャンルに近づくことは多分ないと思うが、これから先、エビネの育種はどうなっていくのでしょうかね?
ニオイ、コオズ系とサルメン系との交配はいくらかされているが、イマイチ元気が出ない領域?
ニオイ系の新しい領域の開拓よりは、エビネに何を求めたいのかの嗜好(志向?)の違いかな。
珍しいだけ、姿、形だけでは続かない? 園芸品種化が進んで袋小路に入らないように・・・
交雑すると原種の世界には戻れない。願わくば野性味を失わずにいてほしいな。
私自身は長年やってきたこれまでのスタイルを今更変えることなく、やっていくつもりでいます。
夏に近づいていく中、皆さんのところのエビネたちが順調に育ちますように願っております。