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蘭亭白木蓮

ブログをはじめました。 周りの心配をよそに衝動的に船出してしまいました。 定年退職しましたが元気に仕事を続けています。                   はるか昔、小学校理科の時間、ヘチマの種まきに胸をワクワクさせ、中高生の頃は家のベランダで大輪朝顔やぶどう、熱帯果樹の鉢栽培にチャレンジ、さらに学生時代には農学部で花卉園芸をかじり、就職、結婚して仕事に励みながらエビネなどの蘭を心のオアシスとして40年以上育ててきました。                          これまで歩んできた道筋を今一度たどりなおして、心新たに楽しみを深めていきたいと思っています。                                     庭の片隅に白木蓮の木があります。その傍らに自作の小蘭亭があり、蘭たちからの叱咤激励の声を聞きながら、これからも日々歩みを進めていきます。          コメントは大歓迎ですが、生来の筆不精、頂戴したらその返信を書くのに考え込んでしまう不器用、時代おくれのオッサンです。多分、返信はようせんと思います。   ブログ本文の中でお答えできたらと思っています。 失礼の段、くれぐれお許し願います。(画像、文の転載はご遠慮願います。2017.7.23)

エビネ ニオイエビネ原種探訪ー5

ニオイエビネの香り

香りは画像では伝わらず、また主観的な要素が強いので表現が難しいですが、私なりに感じていることを書いてみます。

ニオイやコオズでも品種によって香りの強弱や質がかなり異なるようです。
新花の評価をするときに香りは必ずチェックしますが、天候や気温など外環境によって香り方が違いますし、同じ株でも早朝の気温が低いときは香りが低調なことが多く、香りの強さを調べるのは気温が上がって良く香る時に同時に比べるようにしていますが、次々嗅いでいるうちに嗅覚が麻痺してわからなくなったりして難しいです。

ニオイエビネの香りは、よく言われるようにジンチョウゲの香りに似て力強いですが、良く香る品種(香りが強すぎて頭が痛くなるような芳香といえないくどさを持った株もある)がある一方で、なぜかあまり香らない株もあります。自然種は香りの強い株が多いように感じています。
ニオイの血が濃いそうな交配株でも青味の強い品種やスイショウ的な品種では香りが弱い株があるようで、香りを感じないキリシマエビネの影響があるのかもしれません(根拠はありません)。
20年くらい前に自家交配でスイショウ(キリシマエビネ×ニオイエビネ)をいくつか咲かせたことがありましたが、記録によると香りはあまり強くなく、良い香りではなかったようです。

余談ですが、ずいぶん前に、後冴えはキリシマエビネ、ヒゼン系の特徴だと言われた方がおられましたがよくわかりません。ニオイには開花時は濃色に咲いて、あと退色傾向の品種と、開花後、数日して色が乗ってくるものがありますが原種的なものはどちらかといえば前種が多いように思いますけど、これもよくわかりません。業者さんのように大量に栽培しているわけではないので何とも・・

コオズ系はニオイエビネとジエビネなどの交雑(細かい区分は省略)ですが、株によって香りはいろいろでずいぶん違います。含まれる原種の差によって香りも異なるのは当然でしょう。
交配でサツマ×ニオイエビネという1/2ニオイの株も多く咲かせましたが、香りはいろいろでニオイエビネより甘く丸みのある香りを出す株もあり、香りの質がとてもよいものもあります。
ニオイエビネの強い香りよりこちらの方が好きな人も多いと思います。ただ、香りの弱い株も多く出るようで、ヒゼン(キリシマエビネ×ジエビネ)×ニオイエビネなどから生まれる青みのある株では香りが強くないものがあるようです。
先に書いたようにキリシマエビネは香りがしないか極弱く、ジエビネは株によってはかなり良く香る(ニオイエビネの香りとは異なる)ものがあります。キエビネは、カンキツ、ハチミツ様の甘い香りを発するものがあり、好きですね。育種の目標として香りは大きな要素と思っています。
これからもニオイエビネの香りは大切にして交配をやって行きたいと思っています。


ニオイエビネの無菌播種
ニオイ交配は他種に比べ、発芽、生育が悪く、育苗に時間がかかりますが、アマチュアが趣味でやるには、殖えすぎず、適度に難しく、忍耐が勝負で、案外楽しめるジャンルと思っています。
何とか早く、多く発芽させて、早く育てたいと思うのは当然なのでしょうが、その真逆の性質を持っているので、遅く、少なく、ゆっくり、焦らず、相手任せで楽しむことにしています。発芽しないビンは出ないものと諦めますが、同じ交配を別の年にやってみると出たりすることもありますね。発芽(出るものは出るが出ないものは出ない)より苗の育成加減が難しいです。
どのような方法で発芽、育苗しているのか、というお尋ねをいただいたことがありますが、何も大したことはしていません、基本的には何十年も前の技術のままです。播種後、しばらく冷蔵庫に入れておいたりはしますが、低温処理による発芽促進効果を狙っているわけではなく、こちらの時間調整の都合です。
発芽培地も普通のハイポネクス培地+メネデールの薄めのものですし、他種の交配が2~3か月から半年で発芽してくるのに比べ、加温もせず忘れたころに出てくるをじっと待つことと、それをうまく育てること。育苗中、植え替えた際に調子を落とすことがよくあってデリケートですね。
プロ的な方はいろいろな培地研究や育苗ノウハウを研究されていて大変でしょうが、アマチュアは狭い場所で細々と楽しむ程度ですので、これくらいで十分と思っています。
培地へのホルモン添加や濃度の比較などはめんどうで結果がそれほどシャープに出るとは思えず、到底やる気がしません。移植培地にNAAを少し添加するだけです。
ニオイの血が濃い交配は、播種から2~3年かかってやっとビン出しできるものも多いですが、コオズの血が感じられる株を交配に使ってみると、発芽やその後の生育が良い傾向があるように感じます。ニオイエビネにレアを求めることはあると思いますが、このような発芽難、栽培難がレア性のもとなんでしょうけど、趣味の本筋はレア価値より花の良し悪しだと思うのですけどねえ。レアはリスクの塊でしかないのではないのかなあ?私はレア性を求めて交配はしていませんね。

井の中のガラパゴス蛙のつぶやき:ニオイエビネの原種探訪話はもうこれくらいで終了。
何を書いたのかよくわからない、くどい文章で申し訳ありませんでした。
読んでいただいた方には感謝申し上げます。
趣味の世界のニオイエビネ、その将来は、関心を持ち、育てておられる方々の手の内にあると思っています。
私も、自然からの贈り物を大切する心をもって、今しばらく歩んでいきたく思っています。
これまで長い間楽しませてくれたニオイエビネに乾杯!!!(暑くなってきたのでビールで・・)
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井蛙、大海を知らず            お酒の誘惑に弱いケロちゃん ノムトダメダス

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