蘭は一般に乾燥には強く、エビネも根が乾燥して葉がしなびていても、潅水して養生すればかなり回復する力があります。しかし通常の栽培では乾けば潅水するということでよいと思います。表土が完全に乾く前に与えたほうが良いと思いますが、乾湿にある程度メリハリをつける方がよいように思います。ただ春の生長期の水切れはよくありません。4~5月、9~10月はエビネの吸水量も多いためか案外よく乾きます。何日に1回ということでなく乾燥具合を見て適当にやっています。
植え砂の種類、粒の大きさ、通風条件によってかなり潅水のタイミングは違うと思います。
水質はあまり気にしていません。水道水ならいいですが高くつくので井戸水をやっています。夏は水道水よりかなり冷たく(蘭にとって冷たすぎる影響はわかりません)、冬は温かい水です。若干不純物は多そうです。ホース内に残った水は夏の昼は熱湯になっていますし、水腐れもおきやすいので夕方以降でも十分排出してから潅水します。
蓮口をホースにつけて潅水しますが、大きな蓮口は不必要に水が飛び散るので小型の口で柄のついたもの(タカギ製:画像)を使用しています。
潅水用蓮口
蓮口が小さく飛び散りが少なく的確に潅水ができます(タカギ製)
液肥などは普通の如雨露(6リットル)を使いますが、これも蓮口が大きいので接着剤で蓮口の穴を周囲部分半分くらいふさいで使用しています。
如雨露の先の加工
的確な液肥施用などのため穴を接着剤でふさいでいます。もっとふさいでもいいかも。
潅水は一度にやってしまうよりは二度やりする方が砂に水がよく吸収され、潅水もれやムラが少なくなり効果的でよいと思います。手間はあまり変わりません
ニオイエビネは水を好むといわれます。確かにその傾向はあり、鉢表面の水苔は厚めにしてしっとりさせていますが、他の種と比べて特に潅水頻度を上げているということはありません。
ニオイエビネの根は秋にしっかり伸びるように思いますので水切れさせないように注意しています。
また、病気の発生防止などの観点から、普通は雨に当てませんが、たまにしっかり当てると、生き生きとした生命力を感じることがあります。少々雨に当てても病気の発生につながるようには感じません。面倒ですがまじない的にはよいと思います。